二-十 アート―知っていたはずのものとの出会い

既に知っていたはずのものとの新鮮な出会い
ここでいうアートとは表現者の主体的な表現ではなく、既に知っていたはずのものとの新鮮な出会いを与えてくれる何か、のことである。
それは、日常の中に既にありながら、通り過ぎてしまっていたような意味と価値に出会うきっかけを与えてくれるものである。出会いを活性化し鮮やかに浮かび上がらせてくれるもので、それは出会い技術の一つと言って良いように思うし、そこにはやはり、出会う悦びや生きることのリアリティがある
建築には本来、限りない出会いの可能性があるはずである。しかし、それらの可能性のほとんどは隠れたもので、気付かずに通り過ぎてしまうものだろう。そんな中で、何らかのかたちで、その可能性を出会いとして浮かび上がらせるものがアートだとすると、アートは建築の中の可能性を開放し、人に悦びやリアリティを与えてくれる。だとすると、建築にはアートこそが必要なのかもしれない。
人は建築で、知っていたはずのものと新しく出会う。
B047 『アフォーダンス-新しい認知の理論』
社会的構造が絶望と希望を生む B287『社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで』(山岸 俊男)
気持ちで考えることと考えないことの両義性 B223『堀部安嗣 建築を気持ちで考える』(堀部 安嗣)
コロナ禍においてどのような思想を持つことができるかが問われている B234『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』(熊代 亨)
動態再起論
出会う建築
インセクト
オリケン